チューリップの思い出
先日、どこかの学校の入学式だったのか、真新しい制服に身を包んだ学生さんと、お洒落に決め込んだお母さんを見かけました。
駅に着くとそういった方がたくさんいらっしゃって、ああ春だなと感じました。
期待に胸を膨らませて、少し不安げな面持ちも初々しく、これから頑張ってほしいなと思いました。
そういえば春で期待、といえば、小学校の時に育てたチューリップの事を思い出します。
私の小学校では、1年生の時は朝顔を育てましたが、1年生?2年生の春の間でチューリップを育てました。
球根を選んで、埋めて、水を上げるだけの簡単な作業です。
最初に好きな球根を選ぶのですが、私は赤が好きなのでとても好きだったので赤色のチューリップにしました。
チューリップは強いので私でも安心して育てられました。
葉が出てきて大きく開いて、それからしばらくするとつぼみが伸びてきます。
花が咲く前に春休みに入ってしまうので、修了式に家に持って帰りました。
花が咲くのは自宅のベランダです。
何日かたって世話をしていると、おかしなことに気づきました。
つぼみが赤くない。
そして咲いたのは、鮮やかな黄色いチューリップでした。
私は赤色のチューリップを育てていたので、あんなに毎日世話をしていたその黄色のチューリップの事が大嫌いになって、そのままにしてしまいました。
それきりになってしまったので、きっとそのチューリップは枯れてしまったのでしょう。
球根を見ただけでは色はわかりませんので、その色を示すテープが違ってしまっていたのは仕方のないことですが、チューリップにはとても悪いことをしてしまったと思います。
私の精一杯の世話に応え、すくすく成長したチューリップ。
せっかく大きく育ってくれて、綺麗に咲いてくれたのに、私の期待と違ったからといって可哀そうなことをしてしまった。
チューリップは何も悪くないのに。
この時期見かける色とりどりのチューリップを見ると思いだす悲しい思い出です。
期待を裏切られるということはとても悔しく、残念なことですが、それに対して捉え方を変えられるかはとても大切だと思います。
勝手に赤いチューリップを期待されて、勝手に失望されて、黄色いチューリップからしたらたまったものではありません。
あのときは自分の事ばかりだったと悔やまれます。
チューリップの花言葉は「思いやり」。
そして、花の色によって変わるチューリップの花言葉。
黄色のチューリップは「望みのない恋」「実らぬ恋」。
胸が詰まる思いです。