年の瀬
クリスマスも終わり、すっかり年末となりました。
年の暮れは、次の年へ向けてあわただしくもあり、けれども、どこか寂しさを感じていまいます。
お歳暮のやりとりも大体片付き、今年もたくさんの人とのつながりがあったことを実感します。
世間では歳末セール、今年最後の大バーゲンとの謳い文句が飛び交い、クリスマスの影はどこへやら、という感じです。
いろいろ文章を並べ立ててみましたが、同じ「年の終わり」を表す言葉でも色々な表現がありますよね。
今回はそんな中でも「年の瀬」のはなしです。
「瀬」とはなんぞや?
とのこと。
簡単に言ってしまえば、「川の流れの速くて浅いところ」といった感じです。
流れが急でも浅くて立てるので、「立つ瀬がない」なんて使い方にもなるようです。
1年の中でも慌ただしい時期、ということでしょうか。
瀬と淵と
鴨長明の『方丈記』の冒頭にもあるように、時の流れは水の流れにもたとえられます。
年末のこのあわただしい感じ、まさに川の急な流れにぴったり!
また、瀬の対義語として「淵」があります。
深くて流れの緩やかなところ、といった意味ですが、川は大まかにいうところの「淵」と「瀬」が交互に繰り返しながら進んでいきます。
深く緩やかな次の年へ向かう為の前の段階とも言えそうです。
年の瀬を越して
そのような意味合いから、「年の瀬」は川の縁から「越す」ものです。
今年もいろいろありましたが、どうぞ皆様、よいお年をお迎えください。
最後に「古今和歌集より一首ご紹介して締めたいと思います。
世の中は 何か常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる (古今和歌集・933・詠み人知らず)
移り変わりの激しい世の中ですが、自分をしっかり見つめて頑張りたいと思います。
来年も、何卒宜しくお願い申し上げます。