江戸時代の時代劇
いよいよ最終回・軍師官兵衛
選挙により1週間伸びたため、いよいよ、来週最終回を迎える「軍師官兵衛」
天下分け目の関ヶ原、結果はご存じの通りですが、やはりこれまでの歩みを見ているとハラハラしてしまいます。
「乱世ここに終わる」
はてさて、どういった内容になるのか非常に楽しみです(*^_^*)
が、ところで!
大河ドラマや時代劇で描かれる作品って、多くが戦国?江戸時代ですよね。
「江」「竜馬伝」「天地人」「篤姫」なんかはみんなその時代です。
私たちにとって「時代劇」の舞台である江戸時代。
そんな江戸時代にも、「時代劇」はあったんですよ!(・o・)
歌舞伎から見る当時の人気時代劇
当時のエンターテイメント、歌舞伎を例にとってみると、
「菅原伝授手習鑑」
「妹背山婦女庭訓」
「平家女護島(俊寛)」
「義経千本桜」
「寿曽我対面」
など、鎌倉時代以前のものが多く取り上げられています。
いわゆる「時代物」ですが、これらで特に人気があったのは「鎌倉時代」のものらしいです。
現代の私たちが赤穂浪士や新撰組などにロマンを抱くように、江戸時代の人々は義経や曽我兄弟に思いをはせていたのかな、と思います。
「敦盛」を信長が好んで演じた、という話も有名ですね。
こちらは「義経千本桜」のワンシーンとのこと。歌舞伎で人気の作品は、浮世絵にもよく描かれたようです。
おもしろいのが、単純に「戦い」や「英雄」のような人物は室町?江戸時代にも多数いたのに、「鎌倉時代」という点です。
例外はありますが、人気の「時代物」作品の多くは、室町時代や戦国時代を飛ばして「鎌倉時代」なんです。
なぜ鎌倉時代?
さて、なぜ鎌倉時代なのか。
理由は、私たちがあまり「明治?昭和」を題材にしないのと同じなんだと思います。
なんとなくある、タブー意識。
その時代を生きた人はどんどん減っていくわけですが、時代物で描かれるのは「時代のヒーロー」つまりは「戦い」なわけで。
血なまぐささ、残る爪痕というものが生々しくあるわけです。
松尾芭蕉は「おくのほそ道」の中で「平泉」を訪ね奥州藤原氏を偲びますが、「関ヶ原」については何も語っていません。
あれだけ大規模な合戦があったというのに、です。
関ヶ原の戦いが1600年。
松尾芭蕉の「おくのほそ道」の旅は1689年。
時間の流れってすごいです。
89年経てもまだ残っていたタブー意識が、今では「天下分け目の古戦場を訪ねよう!」とすっかり観光スポットですから(^_^;)
今後の時代劇
そこで今後の時代劇についてですが、いずれは、明治?昭和の戦争を描いた作品が、エンターテイメントとなるのでしょうか?
今年の上半期のNHKの連続テレビ小説は「花子とアン」でしたね。
これは明治から昭和初期を生きた村岡花子の半生をもとに作られたものです。
華やかな文明開化と大正ロマン、その陰にある貧しさや関東大震災、昭和の大戦…
暗い影を落としながらも真摯に生きる花子の姿に感動しました。
これは、もう現代の私達から見れば歴史物・時代劇になるでしょう。
近年、江戸時代を舞台とした時代劇の制作はかなり減ったと聞きます。
製作費の問題やロケ地の少なさ、演じる役者の減少などいろいろ理由はあるようですが、「時代劇と言えば江戸時代」はもう時流にそぐわないのかもしれません。
まだまだ触れられないタブーの部分はあるのかもしれませんが、明治?昭和初期の時代を娯楽として見ることのできる時代がもう迫っているのでしょうか。
今の私たちの生きる時代が、後世どのように描かれるのか気になったりします(^O^)