和田blog/1995⑫
Memories of 1995 （キャピタルシティ）
東京ビジネス編
人生なんて思い描いた通りになんてならない。そんな事は分かっていても自分で出来ると信じて挑戦してみたくなる時がある。外国人向け高級賃貸、富裕層相手の売買や賃貸管理、デザイナーズ物件のプロディース等を目指していたけれど、やっぱり目論んでいた通りにはならなかった。富裕層と簡単に言ってもちょっとした知り合いとして話す機会があっても、お客様になる様な出会いはほぼ無かった。ネイティブスピーカーのMがやめて、港区・渋谷区の高級賃貸を基本から学ぶために本社からKを応援として呼び、ジェイ・ネットワークの石井さんにお願いして色々と教えて貰った。（その節はありがとう御座いました！）その後一般募集で採用した英語が堪能なSが入社。彼は頑張り屋で、ブログやホームページ管理・動画制作、チラシ作成に投げ込み。更には大使館に飛び込み営業などもやってくれた。大使館の建替えの大型案件や別の大使館の移転などの案件が取れたけど、結果成約には至らなかった。正直何をやってもスカッといかない。この時期K及びSに数字を上げさせることが出来なかったのが、不甲斐なく本当に申し訳なく思っている。
少し話は変わって
東京には地方都市では成立しないであろうニッチビジネスがいっぱい在る。不動産業においては借地権売買専門など珍しくもなく、底地権の買取りや仲介、再建築不可物件専門や事故物件専門、無条件で入居できる外国人低所得者層向け賃貸システムとかその他にも珍しいものが色々あった。市場規模がやたらデカいので、どんなにニッチでも独自性があり、当たれば大儲けも可能なのだ。弊社は身の程も知らずに高い位置から狙ってしまった。ここは競合も多く出来上がった市場なので地方発の会社が簡単に切り崩せる訳もない。しかし食わなければならないので、一旦諸々の事をリセットして、賃貸のプロフェッショナルを入れて一般賃貸やテナントの客付け賃貸をしたり、アジア系外国人のAさんを雇って一般外国人向けの売買・賃貸をしたりして、弊社は何でも屋さんと化してしまった。こんな感じで損益ぎりぎりの状態で運営するのがやっと。その後にベテランの売買担当責任者が入社して良い時期もあったけど、ある大きな出来事があって結局東京麻布支店は崩壊した。
今回ばかりは人に恵まれなかったと言いたい気持ちがある。でも人のせいにしても何も始まらない。全て自分で決めた事、信じてしまった事、任せすぎた事。悔しかったけど全てまぬけな自分の責任。
2018年1月一人になってしまった。この前年、東京支店は大赤字を出してしまったので、もう誰かを雇おうという気にはなれなかった。「撤退」それだけが選択肢となった。
ラスト一年
しかしどうしても未練が残った。まだ本気出してないやんか俺！人に任せてばっかりやったし。取締役でもある家内と本社メンバーに許しを貰って1年だけ一人で営業する事にした。約束は一年後に黒字化する。出来なければ閉鎖。とにかく一人なので売買仲介だけに絞った。やった事は以下のとおり。
１．一括査定サイトに登録。Y社長アドバイスありがとう御座います。
２．仕事の紹介を目的とした異業種交流会に入会。
一括査定サイトは沢山の問い合せはあるけど、会えたのは2件のみ。そのうち一件は専任媒介契約をもらえた。が、これが精いっぱいだった。
異業種交流会は、毎週木曜日朝4時半に起きてお昼ごろまで例会と打合せが続く。実は10年以上前に福岡で入会の誘いがあったが、その時は必要なかったのでお断りしていた。何故ならメンバーは創業したての人が多くて自分には必要なかったからだ。だけど東京では仕事のネタがない。当時既に57歳、でもカッコつけている場合じゃない。プライドもくそもない。ほぼ全員年下だったけど一生懸命にやった。その甲斐あって直ぐに皆に認めて貰えたと思う。入会前は少しに斜に構えていた部分もあったけど、メンバーは驚くほど皆いい奴で頑張り屋だった。しかも高学歴の人も多く、拠点が表参道という事もあって、「おしゃれにセンス良く」とかが合言葉になっていて自分としては心地良かった。長く付き合える友人も何人かできた。そして紹介で何件かの成約にはなった。
時間が足りない
異業種交流会には、月2-3回2-3時間単位のトレーニングと呼ばれる研修があって絶対にさぼれない。支店を一人で回していくという事は、出勤して掃除やゴミ出し、物件の登録や更新・写真撮影、電話対応（初期対応は本社でやった。）、各種打合せ、チラシや契約書作成、オープンハウス開催、現地調査、改装見積もり立ち合いと是正処理（弊社ではクレーム処理とは言わない。）等もこなさなければ成らない。更に相続セミナーなどの勉強会や先に書いた研修も参加していたし、福岡にも一定日数帰っていたので、時間が足りなくて寝不足気味になっていた。一年間やれることは全てやったつもりだったけど結局黒字化出来なかった。もう気が済んだ。仕方ない撤退だ。（最終話に続く）
2018.1.1の写真
