福岡の不動産知識ガイド
所有不動産の売却の流れについて
ご売却する理由は人それぞれです。ここではご自宅の売却を中心に考えてみます。
目次
- 売却理由について
- 査定
- 業者選定
- 媒介契約の締結、活動方法の打合せ
- 案内立ち合い、注意事項
- 契約締結
- 引渡し決済
- その他
- 売却理由について
ご売却を考える理由は人それぞれです。下にいくつかの代表的な例をあげてみました。
- 転勤や転職にともなう売却
- 家族構成の変化や、より良い物件・環境を求めての住み替え
- 資産整理
- 相続不動産の換金のため
- 離婚
- ローンが支払えない
- 経済状況の悪化により現金化したい
- 査定
査定には大きく分けて2つあります。一つ目は「買取り査定」もう一つは「仲介による売却可能額の査定」以下仲介査定といいます。
買取り査定は、不動産業者が不動産を買い取る金額を提示するものです。仲介査定は、購入希望のお客様に販売可能額を予測して提示するものです。一般的に買取り査定は、急いで処分したい場合や一般消費者に売る場合の契約不適合責任を回避したい場合に向いています。上に記載の⑤~⑦がそれにあたる場合が多いです。それぞれの売却理由に合わせて使い分ける事をお勧めいたします。
また仲介査定においてご注意すべき点は、業者によっては物件の実力や相場に照らして、明らかに売れない様な、高い査定額を提示するケースがあります。買取りの場合と違ってあくまで売却予想額ですので、業者は提示金額で売れなくてもその責任を取る必要がなく、単に売主様のご機嫌をとって売却の依頼を貰うために手段に過ぎません。このような金額で売出すことによって時間ばかりが経過し、物件の新鮮度がなくなり最後には焦って安い金額で手放してしまう。といった失敗例も多くあります。
- 業者選定
買取り査定については信用できる会社で、かつ一番いい条件を提示したところに決めれば良いため詳しい説明は省略いたします。
仲介査定の場合、実際に業者に査定をしてもらい売却活動をスタートさせるための信頼できるパートナー選びとしての大切な項目です。
ではどんな業者のどんな人に依頼すればよいのか。
■会社の規模、実績や地域での信用度など
全国規模の大手不動産業者なら何かあった時に安心ですね。また地元で長く営業している会社も豊富な実績や、地元ならではの多くの情報があり安心です。
■担当者のスキルと人物
会社の規模などに関わらず実力がある担当者か否か見極めましょう。経験や実績、スピード感、誠実さなどが非常に重要です。売買成立までお付き合いしていくパートナーとして人柄も重要なファクターの一つになります。
■情報発信力
インターネットの時代では、会社の規模に関係なく平等に情報発信ができるようになりました。あとはネット上の表現力の違いになります。物件価値をアップさせる施策がある会社が、短期間にかつ高額の売却が可能となります。例えば写真のクオリティや動画、SNS活用などが重要となってきます。ご購入者は良い物件があれば会社の規模には関係なく購入を検討して頂けます。
4.媒介契約の締結、活動方法の打合せ
業者選定が出来たら売出し価格を決め、販売活動を始めるための媒介契約を交わします。媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。一社のみに仲介を任せるのが「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」。複数の業者に同時に依頼できるのが「一般媒介契約」となります。査定業者の話をよく聞いて判断して下さい。
また媒介契約を締結する際に、業者が行う広告について打合せをする事をお勧めします。例えば「自宅があるマンションへのポスティングは控えて欲しい。」や「キャッチコピーにこういう文言を入れて欲しい。」等、その他の要望をお伝えください。
5.案内立ち合い、注意事項(自宅居住中の場合)
購入検討者から見学の希望があった場合どのような対応すべきかを考えます。居住中の売主としては、出来れば案内の回数は少ないほうがいい。また値引き交渉など入らず高く売りたいと思うのが常でしょう。その為にも案内時に最低限やって頂きたい事は、まず整理整頓とお掃除。少しでもお部屋を広く見せるための整理整頓と水回りを中心とした清掃を行って下さい。次に重要と思われるものは換気です。生活臭などどこのご家庭にも多少はあるものです。ご案内前に十分換気を行い、案内中も可能なら窓を開けて風通しをしておくと良いでしょう。但し騒音や排ガスが気になるような場合は逆効果になる事があるのでご注意ください。またタバコの臭いやペット臭など気になる場合は、必要な消臭対策も行って下さい。第一印象は非常に重要ですので出来る限りの事はやるようにしましょう。
それから見学の立会い中は、さり気なく物件のセールスポイントや住環境の良さなどの話をしてみて下さい。住んでみないと分からないような事など、営業マンが話すよりずっと効果的だったりします。
6.契約締結
買い手が決まったら売買契約の締結をします。売却価格が決まり諸々の契約に関する条件の決定が行われます。一般的に個人が売主の場合「現状渡し」で売買が行われるケースが殆どです。物件の状況の良し悪しなどを出来るだけ細かく仲介担当者にお知らせください。不具合を知っていて買主に伝えなかった場合、大きなトラブルに発展する可能性もあります。納得いくまで担当者と打合せをして下さい。
7.引渡し決済
自宅などの居住中の物件の場合、通常売買契約締結時に取決めをした引渡しの期日までに、売主側は物件を空き家の状態にして、買主は残代金を準備して引渡し決済に臨みます。この時に買主は物件代金の支払いと、固定資産税・都市計画税や管理費などの精算金も支払います。売主はそれと引換えに物件を引き渡します。この時に、住宅ローンなどが残っていれば一括で精算する事や、抵当権などの買主の完全な所有権を阻害する権利や負担を抹消しなければなりません。
- その他
人生においてそう何回も経験する事のないご自宅の売却。よい買主様に納得のうえ喜んでもらえるような売買をしたいものです。また業者さんや担当者とのよい出会いがある事を祈ります。