夜の街
陽が落ちたあと、ポスティングをすることがあります。その日、私は、ある住宅街でチラシを持って歩いていました。ほどなくして、スーツ姿で住宅地図片手にキョロキョロしている若者に出くわしました。同業他社の方かと思い話しかけると、その若者は通信系の新人営業マン、一軒一軒の飛び込み営業をしている途中でした。私は、話しを聞きながら彼の眼差しを見て、ハッとしました。その眼は鋭くギラギラしていて、絶対に1件契約を獲るんだというハングリーさがありました。約1分間の立ち話の最後に、私はちょっとした応援の言葉をかけると、頼もしく逞しい『ありがとうございます』の返事。
久しぶりにハングリーな若者に出会い、私は凄くうれしくなりました。おそらく、彼のような若者が新しい時代を切り開いていくのだと思います。
振り向くと、彼は既に夜の住宅街の中に消えていました。