おもむき
趣のある家、とは、おそらくこういう家のことなんだと思います。
初めて訪問する前、築40年以上の木造瓦葺とわかっていたので、正直、殆ど期待していませんでした。しかし、一歩、足を踏み入れると、そこは京都を想わせるような風情ある和の世界。
大切に手入れをされ長年住まれてきたというのが、建物の隅々から伝わり、自然の風が、ゆったりと建物内に流れています。今ではめったにお目にかかれない縁側に立つと、緑あふれる日本庭園が気持ちを落ち着かせてくれます。
夏になれば、着流しや浴衣を着て、縁側でキンキンに冷えたスイカでも食べたいものです。そこには、風鈴の心地よい音色がきっと聞こえるでしょう。そんな季節の風景が容易に想像できます。譲る方がいて、引き継ぐ方がいて。今回はどんなドラマが待っているのでしょうか。