足音
先週、ある朝刊にこんな広告がありました。
タイトル:ただいまの足音
実家で飼っていた犬のジョンの特技は、
「おでむかえ」だった。
家に近づく音なのか、においなのか。
家族の帰りをいち早くキャッチして、
真っ先に玄関で待っていた。
お向かいの角を曲がる父のクルマの音、
私のヒールの音、母の自転車のブレーキ。
ジョンはぜったい、
家族とそれ以外を間違えなかった。
でも一度だけ、吠えられたことがある。
緊張する彼をはじめて、
実家へ連れていったゴールデンウィーク。
ドアを開けたら、ばつの悪そうなジョンの顔。
ジョンは、わかってくれるだろうか。
その彼がまもなく、家族になることを。
家に帰れば、・・・・・。
読み終わり、その白いジョンを見ながら、自然と口元が緩んだのはわたしひとりだけではなかったはずです。昨年から、その広告主である不動産会社がこれまで提供してきたマンションや一戸建てを仲介する機会が増えてきました。そして、今回この広告に出会い、何故、彼らの創るものが九州の人々から熱く支持され続けているのがわかったような気がしました。